小さな借家

母親を老人ホームに入居させた

子供の部から学生、大人、アイディアを募集しよう。専門家に至るまで、そのことが見捨てられがちだった公営住宅の存在を知らしめて、これが社会資産であることを広く伝えていくことが出来る。公営住宅は多摩ニュータウンみんなの財産であることを知ることで、まちづくりに口を出すきっかけを作りたい。

これまで公営住宅はどうしても疎まれてきたように思う。
しかし住宅が余ってくると、従来の低家賃という公営住宅の役割は終わり一般の賃貸住宅と同様な活用の方法に近づいていく。今後、住まいの選択を決める要素は建物の外観や機能性能という使いやすさや快適性にシフトする。
そして住まいの選別はさらにコミュニティの豊かさというソフトな部分にも拡大して、高齢者が安心して生活できる場が用意されているか、子育て支援があるかなど、地域のコミュニティが支える場が生まれているかどうかが評価の対象となる時代が来る。
その時、公営住宅が脚光を浴びる住まいに変身していることが、まだら模様といわれない多摩ニュータウンづくりにとって大切な事だと思う。住宅ストックを活かす多摩ニュータウンには住宅展示場よりも多様な住宅がある。まるで住宅の博覧会場のような場所である。

それは開発により保存された農家住宅を別にすると、昭和四六年以降の住宅で、それほど古いものはないが、メゾネット住宅、初期のODKから始まり、スキッブフロアの間取りや住棟、ロフト付き住宅、テラスハウス、ライトコートのある住宅や住プレイロット、棟、コモンスペース、ずエルフ、クルドサックなど住宅地計画に用いられるあらゆる手法が網羅されている。
時代が求める住まいの姿を提案しようと「日本住宅という組織にいた歴代の計画者は胸をふくらませて多摩ニュータウンに足跡を残し公団」てきた。その住まいの進化の課程は、連続して新たな住まい方やその形を提案できた多摩ニュタウンという環境があったからで、都市基盤整備公団に組織替えが行われ一九九九年るまで新しい住宅への提案は続いた。

その後は住まいづくりが民間に任せられるように

なって、住宅の形態は一変した。いや民間の提案はきわめてシンプルであった。「売れる住という明快な答えであり、宅を提供する」その為には与えられた敷地に目一杯の住宅を計画することで土地コストを低減させることから始まった。その為の方法は容積率を最大にして住戸販売価格がビジネスとして成立する地価で土地を仕入れることが第一の計画条件となる。
つまり、買いやすい住宅、つまり安く売るための計画手法が第一義になった。
土地の仕入れから建物の建設までを請負い、販売リスクを背負って公募して完売できれば良いのだが、売れ残ることもリスクとして捉えなければならない分譲マンション事業である。
登記識別情報如何に確実に売れるかは基本条件であり、さらにリスクを含めての原価と売価の差額、つまり利益が得られるか。利益幅がどれほどとれるかが最大の関心事である。安く仕入れて高く売ることがマンションディベロッパーの最大の関心事であり、売れ残らず一定期間に完売するものを企画することがテーマである多摩ニュータウンの場合、土地の面積は大きくまとまっており、大量に供給することが可能である。こうした事業展開をする場合には、基本的に第一次取得層を対象に企画することが常套手段だ。
ファミリー向けの住宅を中心に販売計画を立て、三0代から四〇代の営業を掛けていく。住宅ローンを受けられる世代を中心に企画を絞り、そこでは小さなニーズは拾い上げられず、大量にある市場をターゲットに商品企画が練られ、同様な住宅供給が続くことになる。当然、小さなニーズは取り残され、くすぶったニーズとして市場の陰に隠れるこうした大量の新築物件の陰に有りながら、着実に市場を広げているものに中古市場がある。

引き潮経済の時代が始まる中では新築ばかりではなく、これまでの資産が有効に活用される時代が始まることでもある。新築と異なり相場がこなれている中古市場はもう一つのファミリー世帯の住宅取得手段でもある。台所を改装して間取りを変えて自分流に住むことが、はやり始めている。中古住宅を古いものとして捉えるのではなく、自由に気ままに手を入れることが出来る住まいとして考えると、その利用の幅は広がってくる。

決められた新築を買うよりは改造できる中古を手に入れることが、引き潮経済下の住宅取得の住宅余剰が続くのでさらにこうしたニーズは増加する方法として主流になる。
以降の新耐震設計法の建物は安全だという確信が阪神大震災一九八一年昭和五六年で立証され、さらに耐震偽装問題によって建物の構造基準が一般の人々の関心事になった。

普通の人がどの建物が安全かを見極めることが出来るようになった。だからこそ新築よりは中古を選ぶことが選択肢として顕在化してきた。それに新築よりは安いし、家族数が減っているので余り大きな住戸も必要ないと考えると、中古住宅は魅力的になる多摩ニュータウンで新築住宅の供給が、広い住戸に集中しているには理由がある現在、土地を販売する段階で計画可能な住戸数を限定している。
これは学校など公共施設の整備が追いつかないこともあり、建設可能な住戸数を限っているが、限られた住戸の数に容積住戸面積を広げれば率を最大にするためには住戸面積を広げることが常套手段となる。却単価は下がり、安く広い住宅が提供できることになる。一戸当たりの土地代が決まって住宅を広げることがキャッチコピーとなる。いるのだから、「全戸100平米以上のマンと、いかにもニューリッチの住まいのように思える。
しかし広さが求められるのション」は短期間であり、維持管理費も高くなる。

俄然注目されるのが中古住宅である。
そこで、適度な住戸面積であり容積率も過密では団地全体にゆったり感があり緑地も多い。何も新築に拘らなければ良質なないことから、住宅も手に入るのが多摩ニュータウンの良いところ。

すべての女性が輝く社会づくり

高齢者住宅や施設への入居にともなうお手伝い

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嘗ての住宅都市整備公団がせっせと供給した多様な住宅が市場にあるのだから、多様な中古物件をねらい定めてみるのも住まちなみに、多摩ニュータウン内の中古物件の単価は、いの選択の方法である。1平方メトル当たり一四万程度から三三万くらいで販売されており、手頃な物件を見つけることも容易である。
特にエレベーターが無いことで高齢者の転出は多いが、その後に若い世代が改造して入居するケースは多摩ニュータウンの住まいの循環のスタイルでもある高齢者の為の住まいづくり住み続けられない住宅を手放して移り住む高齢者世帯の姿が多摩ニュータウンにはあるとりわけ階段タイプの中層住宅や戸建て住宅からの住み替えが増えている。

こうしたニズに対して多摩センター近くに建設された民間マンションは人気のようで、高齢者世帯の入居が多いと聞く。駅前の利便地区でバリアフリーの住宅に住むことを望む高齢者世帯は多いが、そこには十分な住宅供給がされていないのが実態である。

特に年金生活をベースに考えると一時金で購入できる範囲で入手するか、支払い可能な家賃で入居できる賃貸住宅が求められており、大規模住戸面積を中心としたマンション供給が進む中で新たなニズとして開拓するべき市場でもある大量生産ではないきめ細かな住宅づくりへのニそこでの高齢者に対する住宅市場は、ズであり、そして地域密着型の生活に対する支援といった大量供給では得られない住まい有料老人ホームが一般的な高齢の需要である。

これまで高齢者に対する市場としては、といて提供されているが、実態としては住宅施設者の住まいではなくであるこれも大量供給の同一仕様ファミリーマンションと同様な市場構造を持つビジネスで、終甘い蜜痛いムチが共存する矛盾を持つ施設身利用権というと入居金の償却というである。入居者の希望や期待は経営側の利益確保と真っ向からぶつかり合う構図になっていることは周知の事実である。こうした市場が成立しているのは日本だけではないだろうドイツの老人ホームでは、入居金を退去時には全額返還するという。
入居金の目的は建物の当初建設費の支払いだから、日本のように最初の入居者が立て替えて償却するのならば、最初の入居者の預かり金を消却してしまえば、それ以降の入居者からは預かる必要のないものになる。
小さな借家しかし、現実は次の入居者からも同額の入居金を徴収しているのが日本ドイツの老人ホームでは、預かり金を返却しても次の入居の有料老人ホームの姿である。者から預かるので差し引きゼロで事業は成り立っているという。そのことが、退去しないで居続けてもらうことが、新たな募集をしないでいられるので、施設側も経営が有利に展つまり長生きをしてもらうことで経営は安定する構造になっている1-0。開するという。
それに引き替え、日本の老人ホームは入居金の消却期間が終われば退去してもらった方が経営的には有利に働き、長寿を支える構造になっていないのが現実である。雨後の竹の子のように有料老人ホーム事業に乗り出す事業者が多いのも儲かる事業であるという一点に目標があることが解る。これはシステムの問題である。
長寿を喜べるシステムを生

みださなければ日本の高齢者は不幸であるここに、地域の人々が求めている住まいの姿が浮かび上がってくる。
そこに住み続けることで事業者も居住者も共にメリットのある環境を造ろうと考えることが、正しい住まい新しい事業が生まれるきっかけになると考える。

事業者も居住者も共にハッピーな住宅づくりが求められている。若い人から高齢者まで共に住むコミュニティが育まれる環境が必要だ。また地域の施設を共有するネットワーク型のサービスが提供される住まい作りが求められていて、公的な施設を広く活用できる経費のかからない高齢者の住まいが望まれる多摩ニュータウンにある住宅ストックや廃校になった学校施設や土地の活用によって高齢者世帯の多様なニーズに対応できる住宅供給が期待されている。
また、高齢者同士が共に住むグループリビングや多様な世帯が協力して生活を組み立てるコレクティブハウジングなど、新しい住まい方や新しい家族の形が多様な住宅ニーズに対する住まいとして提供できる環境が多摩ニュータウンにはある。

単純承認

知らない間に

さらにこうした住宅供給を支援するための組織もそろい始めており、地域のまちづくりやまち育ての専門家の役割として今後期待される事業になりつつあるコンバージョン住まいの姿は住む者のニーズで変化する。とりわけ高齢者の住まいには相互に支え合うという構図が望ましく、グループで居住することが生活の安定に繋がるという意味で望ましい住まいの形として各所で創られている。多摩ニュータウンでもこうした住まいのあ方が望まれていて、私もどこかに実現したいと考えているが、土地を購入してまでの投資賃貸住宅経営者の事業に相乗りする形でしか実現は難しいと思われる。
は困難で、しかし、既存の建物を活用すれば改造などの費用は必要だが、投資も少なくグループ居住の施設を整備できる可能性があり、廃校になった校舎を活用したり空き家の発生する既存の賃貸住宅を活用した供給も新しい住まい方を実現するには好都合なストックだ。ほた校舎などの利用は空間の大きさから開放的な施設利用にもってこいで、学童保育施設や子育て支援施設や福祉系の施設などにも転用できそうだ。
また、理科室や家庭科室などの設備を活かす利用方法も考えられ、時代に求められる用途を広く受け入れることで多用途に活用することを推進することが望ましい。

現在、コンバージョンの研究は様々な機関で行われており、専門の書籍も世に出て広く実績も重ねている。しかし多くの場合、建築基準法や消防法などの法基準に適合させるとに窮している現状が見られ、必ずしもスムーズに進んでいるとはいえない。こうした状既存建物の存続やストックを活かした計画については、況を改善するためには、現行法の適材適所の準用を行うような配慮が欲しいものである。
遵守一辺倒な基準ではなく、古い建物を用途変更して使う方法は、欧米の再開発には頻繁に使われていて、煉瓦造りの倉庫を活かした店舗や、工場を利用した住宅など、コンバージョンの事例は多様だ。
私がドイツの小さな田舎町で訪ねたコンバージョンは、木造の麦の製粉工場を銀行に改装したもので、村の真ん中にさり気なく利用されている形は、古い昔のまちなみ景観を守ろうとする村の人々の強い意志が現れていて、訪れるものの安心を誘うものだった。
とはいえ

村にはモダンな学校やクラシックなデザインだが新しい老人ホームもあり、決して古くさい印象ではなく、古いものを大切にしている暖かい心を感じさせる集落を形成していた。これまで学校や住宅で形作られていた。多摩ニュータウンの景観は、建設された当時は目新しく凛としてシンプルなデザインは気持ちのいいものとして受け止められていたはずである。
しかしデザインは流行があり、過去のデザインは疎まれるようになってしまった経緯がある。だからといって全てを否定する考え方は間違っている。
やっぱりこれも捨てられない!折角建てられたスシンプルで分かり易いデザインにトックを廃棄するのではなく、当時の基本的な考え方、対して現在のデザインエッセンスを加えることで、過去のデザインコンセプトを生き返らせることは出来るはずである。多摩ニュータウン内の都営住宅には1階をピロティとして団地内の管理をする倉庫代わりに使われている住棟もあり、おそらく建設当時の考え方の中で、未来の利用を考慮して

ピロティとして建設したものの、現在ではあまり役立っていないものがある。こうした資そこに高齢者の住宅と共同の生活の場を加えるだけでコレクティブな住まいが実現産は、する。こうした活用可能なストックもあることを発見していこう。
それにより多様な世代が安心して居住できるようになるのだギリシャやスペイン、イタリアなどの古い石造りの構造には、ガラスがよく似合う。

ゴシックやロマネスクの建物にガラスの階段がしつらえられ、エレベーターが敷設されている。美術館や博物館に利用されている建物には、こうした設えが上手に組み込まれている。現代の機能や性能をシンプルな材料を加えることでモダンなデザインとして復活させる努力が成されている。多摩ニュータウンの建物も同様に、活用できる建物である。ストックを活かすデザインを見つけよう。住まいを繋ぐ住まいは人の生涯を凌ぐ利用が出来るもので、今後の住宅は100年以上利用可能な住宅として建設される。
強いて言えば昭和五六年の新耐震設計法施行以来の建物についてはこうした長寿の住宅を、100年以上の寿命を持っているものと理解している。時代のニーズに対応させながら機能や性能を高めつつ利用し続けていくことが我々の役割であり多摩ニュータウンの住宅資産は殆どが未来に継承できる住まいを後世に繋ぐことになる。優良な建築物である。
その活用を考え将来に繋ぐことは今を生きるものの義務である我々はみんなでそれを進めなければならない。住まいを利用する世帯は多様だ。
賃貸を由とする者、戸建てを理想とする者、利便地区共同生活を望む者などまさに十人十色の選択をするのが住宅であのマンションを望む者、る。こうした住宅のニーズに的確に対応する住宅が市場にあれば良いのだが、限られたエリアで限られた情報の中では対応出来きれないのが実情。そこに住情報の広場が必要になる。住まいの選択肢が広がれば広がるほど現在の市場で活動している不動産屋では対応しきれない状況が発生する。
高齢者の場合も子育て世帯の場合も現状の住まいの問題からの脱却と将来に向けての理想的な居住の場を求めている。
そこに住まいを繋ぐ役割が求めら個人個人では対応できない住まい探しを専門に請け負う組織が欲しい。れている。こうしその役にはNPOがふさわしい。た人と住まいを繋ぐ仕事、今後の住宅事情は持ち家も借家も混在すると考えている。
持ち家の賃貸化は当然であるが賃貸住宅の持ち家化も公的賃貸住宅のみならず民間賃貸住宅でも現れると思われるし所有形態もスケルトン所有も定期借地もあり、借家状況も転貸や定期借家など多様な利用形態が発生する。
住宅所有や利用の形態が複雑になってくればくるほど、住宅と居住者所有者を繋ぐ役割も重要になり、住まいのベストマッチを提案する役割が住宅市場に欠かせないものになる住まいを繋ぐとは、住まいの活用について世代を越えて繋ぐこと、住まいと人とを繋ぐ役割、複雑な住まいのあり方を柔軟に運用して社会ニーズに即した住まいを提案することなど、住まいを繋ぐ役割は今後の多摩ニュータウンの居住を支える為にも重要なポジショ「多摩ニュータウン·まちづくり専門家会議」ンになる。
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